はじめに
皆さん、こんにちは!
東大卒、大手化学メーカー勤務の社会人2年目マーケティング担当のらいくです。
就活生や若手社会人に向けて、キャリアを考えたり自己投資をしたりするうえで役立つブログ記事を書いています!
今回は、キャリアのについてのヒントとなる、デイビッド・エプスタイン氏の著作『RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる』を解説していきます。
その前に、どんなやつが書いている記事なのか知りたい方もいらっしゃると思うので、私の簡単なプロフィールをご紹介します。詳細はコチラをご覧ください。
- 東京大学文科三類現役合格、文学部社会心理学専修卒業
- 大学時代、体育会運動部主将
- 某大手化学メーカー、社会人2年目、マーケティング担当
- TOEIC 910、ウェブ解析士、Advanced Marketer
働く人々は、絶えずキャリアの方向性や成長の方法について悩みます。
特に現代社会は、あらゆる分野で情報の波が押し寄せてきます。そんな中で、私たちは常に迫られる問いを抱えています。
それは、「スペシャリストとして専門的な知識を深めるべきか、それともジェネラリストとして広範な知識と経験を持つべきか?」ということです。
この問いへの一つの答えとして、デイビットエプスタイン氏の『RANGE』という本は、知識の「幅<レンジ>」を持つことの価値について教えてくれます。
本書を通じて、私たちは「超専門化」がもてはやされる現代において、多角的な視点や経験がどれほどの価値を持つかを理解することができます。
それではさっそく見ていきましょう!
専門化のトレンドと誤解
現代の情報爆発時代に生きる私たちですが、高度な知識や技術が求められるようになった結果、一つの分野において「専門化」することが、成功への道として推奨されています。
しかし、このアプローチが真に成功をもたらすのか、デイビットエプスタイン氏の『RANGE』を読むと疑問が湧いてきます。
親切な学習環境
親切な学習環境とは、数学の問題やチェスなど、ルールや解法が一定に決まっている環境のことです。
このような環境での専門的なスキルは、確かに有効です。
しかし、このような領域では、AIの進化により、人間の専門家でさえ置き換えられる日が来るかもしれません。
不親切な学習環境
不親切な学習環境とは、定まったルールや答えが存在しない、予測不能な領域のことです。
例えば、起業やアート、さまざまな社会問題の解決など、答えが無数に存在する状況をさします。
世の中のほとんどのことはこちら側に属しています。
このような環境では、「レンジ」すなわち幅がある人、つまり多様な経験や知識を持つ人の方が成功しやすいとされています。
近年、早期教育の中で子どもたちを特定の分野に特化させる流れが見受けられます。
しかし、それが本当にその子供の未来のためになるのか、この本を読むと疑問符がつくような気がします。
特化させることで一時的な成功を追い求めるのではなく、幅広い経験をさせ、多角的な視野を養う方が、未来の複雑で変わりやすい環境での成功へのカギとなるかもしれません。
私たちが追い求めるべきは、狭い領域の専門知識だけでなく、多様な知識や経験から新しい価値や答えを見つけ出せる能力、すなわち「RANGE」の重要性を理解することです。
多角的なキャリアのメリット
現代の複雑な世界において、一つの領域に特化するだけではなく、様々な分野に足を踏み入れることのメリットが注目されてきています。
特に、多様な経験が生む「幅」が、新たな視点や発想の源泉となることが証明されています。
その一つの魅力として、「幅」を持つことで得られる能力が挙げられます。
多様な経験をすることで、それらの経験を抽象化し、類似点を抜き出して新しいアイディアに結びつけることが可能となります。
具体的には、既存の知識を横断的に組み合わせて、新しい解法やアイディアを生み出す力が高まるのです。
この考え方を実例で示すと、テニス選手のロジャーフェデラーが挙げられます。
彼は子供の頃、様々なスポーツを経験しました。それらの経験が、彼のテニスにおける独特のフットワークやスタイルに影響を与えたと語っています。
彼の場合、幅広い経験が、一つの領域での成功に直結した形となります。
また、ゴッホのような芸術家も、多様な仕事を経験した後に、画家としてのキャリアをスタートさせました。
彼の作品には、過去の経験から得られた視点や感受性が色濃く反映されています。
これらの例から、様々な分野での経験や学びが、一つの領域での成功を後押しする大きな要因となっていることが見て取れます。
経験の「幅」が、深い洞察や新たな発見を可能にするのです。
専門家の罠と初心者の視点
近年、業界の先端を走る専門家たちが、ある特定の問題に取り組む際に、自らの知識や技術のツールを過剰に活用し、他の可能性を見逃してしまう現象が指摘されています。
これを「専門家バイアス」と呼びます。
専門家バイアスは、その名の通り、専門家や長い経験を持つ者が、特定の方法や考え方に固執し、新しい視点やアプローチを見落とすことが原因となります。
例えば、ある工具を長年使用している職人は、その工具に頼りすぎて、他の新しい工具や技法を採用することをためらうことがある。
これは、彼がその工具の使い手としてのスキルや経験を磨き上げた結果、その道具に強く依存するようになったからです。
そのため、初心者や専門外からの視点が持つ価値は非常に高いといえます。
彼らは柔軟な考え方を持ち、従来のフレームから外れた新しいアイディアや視点を提供することができます。
この初心者の視点と、専門家の深い知識や技術を組み合わせることで、真のイノベーションを生み出す可能性が高まります。
また、水平思考という考え方を取り入れることで、異なる分野や背景からの知識や技術を活用し、問題解決の新しい道を意図的に模索することができます。
これは、専門家の罠から抜け出し、多角的な視点で問題に取り組むことの重要性を示しています。
専門家としてのスキルや知識は、確かに非常に価値があるものですが、それだけに頼らず、常に新しい視点や方法を取り入れる姿勢が、これからの時代には求められるでしょう。
キャリア形成の提案: 複数の分野を経験する価値
多くの人々は、キャリア形成の初期段階で、特定の分野やスキルセットに特化して、それを深めることが成功の鍵だと信じています。
この考え方には、確かに一理あるでしょう。専門知識を深く持つことは、市場価値を上げるとともに、業界内での地位を固める手助けとなるからです。
しかし、長期的な視野で見れば、あえて多岐にわたる経験を積むことにも大きな価値があると私は考えます。
興味や短期的な目標に基づき、様々な分野や業界での経験を追求することは、意外と多くの人々にとって実は有益だったりします。
このような”回り道“とも思える経験は、新しい知識や技術の獲得だけでなく、異なる分野の間に潜む共通点や、それまで気づかなかった視点を提供してくれます。
そして、これらの経験は、後になってから自分のキャリアや人生における価値の高い資産となることが多いのです。
つまり、結果が出なければわからないのです。
例えば、一見無関係に思える分野での経験が、別の分野での革新的なアイディアやソリューションを生む原動力となることがあります。
ゴッホやフェデラーのように、異なる経験を背景に持つ人々は、独自の視点やアプローチで成功を収めてきました。
真に自分を成長させ、豊かにするものは、何かを達成することだけではなく、その過程での学びや経験そのものにあると言えるでしょう。
だからこそ、心惹かれること、自分の興味を追求し、様々な経験を重ねてみることは、キャリア形成において極めて重要なのです。
こちらの記事でも様々なことにチャレンジする重要性について触れています。
ぜひご覧ください!
まとめ
『RANGE』の中心的なメッセージは、現代の複雑で変わりゆく社会において、専門家としての深い知識だけでなく、幅広い知識と経験の「レンジ」が大切であるというものでした。
この記事を通じて、超専門化の時代においても、多岐にわたる知識や経験が価値を持つ理由を探求しました。
初めに、超専門化が成功する「親切な学習環境」と、それに対照的な「不親切な学習環境」について触れました。
多くのリアルな環境は後者に該当し、そこでは専門的な知識だけでは対応しきれない複雑な問題が生じることを学びました。
さらに、専門家が持ちがちなバイアスと、それに対する初心者の柔軟な視点の重要性を考察しました。
専門家だけでなく、初心者の視点を取り入れることでイノベーションが生まれることも示されています。
そして、キャリア形成における多角的な経験の価値について深堀りしました。
異なる分野や経験を持つことが、新しい視点やアプローチをもたらし、それが結果としての成功へとつながることが示されています。
締めくくりとして、本書『RANGE』は、一つの分野に固執するのではなく、幅広い知識や経験を大切にすることの重要性を伝えてくれます。
専門性を追求することも大切ですが、その他の多くの経験や知識との組み合わせこそが、今後の社会での成功の鍵となるでしょう。
是非原著を一度ご覧ください!
最後に
長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
この他にも、おすすめの本の紹介や資格取得レビュー(ウェブ解析士はコチラ)、TOEICの各パート別の対策(パート1、パート2)やセクションの対策(リスニング、リーディング)などの就活生や若手社会人の方に役立つ記事も挙げているので、そちらもぜひお読みください!
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