はじめに
皆さん、こんにちは!
東大卒、大手化学メーカー勤務の社会人2年目マーケティング担当のらいくです。
就活生や若手社会人に向けて、キャリアを考えたり自己投資をしたりするうえで役立つブログ記事を書いています!
今回は、認知バイアスのひとつである「生存者バイアス」について解説します!
皆さんも一度は耳にしたことがあるであろうこの生存者バイアス。
このバイアスを知ることで、様々なものを考察する際の精度が高まるはずです!
東大の社会心理学専修課程で学んできた知見を皆さんにシェアするので、ぜひご覧ください!
その前に、どんなやつが書いている記事なのか知りたい方もいらっしゃると思うので、私の簡単なプロフィールをご紹介します。詳細はコチラをご覧ください。
- 東京大学文科三類現役合格、文学部社会心理学専修卒業
- 大学時代、体育会運動部主将
- 某大手化学メーカー、社会人2年目、マーケティング担当
- TOEIC 910、ウェブ解析士、Advanced Marketer
他の人の成功事例や話を聞いて、「私もそれを試してみよう」と思ったことはありませんか?
その後、全力でその方法を取り入れたものの、自分にはうまくいかなかった経験はありませんか?
そう、その背後には「生存者バイアス」という名の認知バイアスが潜んでいます。
この記事は、以下の3つの読者に特におすすめします。
生存者バイアスは無意識に陥ってしまうことも多く、その存在とメカニズムを理解することは非常に価値があります。
それでは、生存者バイアスが私たちの判断にどのような影響を与え、どうやってそれを回避することができるのか、一緒に探求していきましょう。
それでは行きましょう!
認知バイアスとは
続いて、生存者バイアスを深く探求する前に、まずは「認知バイアス」について基本からおさらいしましょう。
「認知バイアス」とは、私たちの判断や意思決定に影響を与える、思考の歪みや偏りのことを指します。
簡単に言えば、客観的な情報をもとに合理的に判断するはずの私たちの脳が、無意識のうちに非合理的な結論に導かれてしまうということです。
これは、人間の認知の特性や過去の経験、そして情報過多な現代社会が生む偏った情報取得など、さまざまな要因に起因しています。
なぜ私たちは認知バイアスが生じてしまうの?
実は、私たちの脳は効率的に情報を処理するための「ショートカット」を常に探しています。
その結果、情報を迅速に処理する反面、完全な判断を下すのは難しくなる場合があります。
有名な例を挙げると、「ミュラーリヤー錯視」という現象があります。
これは、同じ長さの線でも、矢羽の形状にの影響を受けて、長さが異なって見えるという認知バイアスのひとつです。
このような認知バイアスは、私たちの日常生活やビジネス、学問の場でも無意識のうちに影響を及ぼしています。
時には良い結果をもたらすこともあれば、大きな失敗に繋がることもあります。
このような歪みを認識し、正しく理解することで、より良い選択や判断を下すヒントになります。
生存者バイアスの概要
前章で認知バイアスの全体像を少し掴んでいただいたと思います。
その中でも、私が特に興味を持って深く考えてきた「生存者バイアス」について、具体的にお話ししたいと思います。
「生存者バイアス」とは、文字通り「生き残った者」、すなわち成功したケースや事例だけに焦点を当て、それに基づいて判断や結論を下してしまうバイアスを指します。
簡単に言えば、成功の裏に隠れた失敗や問題点を見過ごしてしまう傾向があるということです。
この生存者バイアスがもたらす問題点は深刻です。
例えば、あるビジネスモデルや手法が一部の企業で成功していると、その成功事例だけが大きくクローズアップされます。
しかし、同じ方法を試して失敗した企業や、異なるアプローチでの成功例は、目立たないことが多くなります。
このように、一部の成功事例だけに注目することで、真の成功の鍵や、幅広い視点からの学びを逃してしまう恐れがあります。
私も社会人としての初めの頃、上司や先輩の成功体験に目を奪われ、その通りの方法で仕事を進めることが正しいと思い込んでいました。
しかし、時とともに、そのやり方が上司や先輩に合っているだけで、単なる模倣では本質的な問題の解決には繋がらないことを痛感しました。
生存者バイアスは、私たちが真の成功への道を探る上での大きな障害となるのです。
生存者バイアスのメカニズム
生存者バイアスはなぜ生じてしまうの?
このバイアスがなぜ起こるのか、そのメカニズムをしっかりと理解することで、私たちの意識や行動にどのように影響を与えているのかを知る手助けとなるでしょう。
まず、私たちが成功事例に引き寄せられる理由ですが、人間は基本的に「成功」や「勝利」を好む生き物です。
成功には魅力があり、それを追い求めることで自らも成功を手に入れたいという欲求が湧き上がってきます。
特に社会的な環境や文化の中で、「成功者」が称賛されることが多いため、その成功の要因を知り、それを取り入れたいと感じるのは自然なことです。
次に、「利用可能性ヒューリスティック」というものが理由として挙げられます。
これは心理学の用語で、「利用できる情報」、すなわち手元にある情報や印象的な事例をもとに、物事を判断するという人の思考の傾向を指します。
成功事例はメディアやSNSで大きく取り上げられることが多く、その情報が私たちの脳内に鮮明に焼き付けられます。
その結果、その成功事例に基づいて判断や行動をとりやすくなるのです。
例えば、ある起業家が特定の手法で大成功を収めたニュースを見たとします。
その後、自分自身がビジネスを始める際、その起業家の方法を参考にするか、はたまた新しい方法を模索するかを選択する場面で、利用可能性ヒューリスティックが働き、記憶に新しいその成功事例を元に判断を下しやすくなります。
このように、私たちの判断や行動は、手元にある情報や印象的な事例に大きく影響されるのです。
このメカニズムを理解し、意識的に多角的な情報収集や判断を心掛けることが、生存者バイアスを回避する上での一つの鍵となります。
生存者バイアスの具体例
前章で生存者バイアスのメカニズムについてお話しましたが、ここではより具体的に、どのような場面で生存者バイアスが働くのか、その実例を取り上げてみましょう。
こうした実例を通じて、生存者バイアスがどれほど私たちの日常や意思決定に影響を与えているのか、鮮明に感じていただけるでしょう。
戦闘機の補強に関する事例
まず、第一の例として「戦闘機の銃痕」について取り上げます。
第二次世界大戦中、アメリカ軍は戦闘機に銃痕が集中している箇所を分析し、そこに追加の装甲を施すことで、戦闘機の生存率を向上させようとしました。
しかし、実際にはその銃痕のある箇所は生還できた戦闘機のみに見られる特徴で、真の脆弱点は戻ってこれなかった戦闘機にあったのです。
この事例は、私たちが見ることができるデータや情報だけを基に判断を下すと、重要なポイントを見落としてしまう危険性を示しています。
合格体験記の事例
次に、受験生にとってお馴染みの「合格体験記」の例です。
多くの受験生は、先輩たちの合格体験記を読み、その勉強法を取り入れようとします。
もちろん、それには成功のヒントが含まれている可能性は高いです。
しかし、その方法が自分に合っているとは限りませんし、何より同じようなやり方を取り入れた多くの受験生が実際には合格しなかったという事実を忘れてはなりません。
成功した一部の例だけに注目することで、真の原因や適切な対策を見誤るリスクが高まるのです。
私自身も大学受験の際、合格体験記を参考にしたものの、その方法が私には合わなかった経験があります。
重要なのは、他者の成功事例を参考にすることは良いが、それを鵜呑みにせず、常に自分の状況や条件を考慮し、柔軟に対応することです。
このように、私たちの身の回りにも生存者バイアスがひそんでいることがわかりますね。
次の章では、この生存者バイアスをどのように回避するか、その方法について詳しくお話ししましょう。
生存者バイアスを回避するためのアドバイス
生存者バイアスの具体的な例を通して、どのように私たちの判断や行動に影響を与えるのかを理解していただけたと思います。
しかし、このバイアスをただ知るだけでは不十分です。
実際には、このバイアスに取り組む方法やテクニックを知り、日常生活や仕事の中でそれを活用することが必要となります。
そこで、この章では生存者バイアスを回避するための具体的なアドバイスをいくつかお伝えしたいと思います。
生存者バイアスの存在を意識する
私たちが生存者バイアスに陥る最大の理由は、その存在を知らないことや、それを軽視していることです。
まず、常にこのバイアスの存在を頭に置き、自分の判断がその影響を受けていないかを疑問に思うことが大切です。
そもそも、知らないと気付くこともできませんからね。笑
情報源を批判的に検証する
成功事例や注目される情報だけでなく、その背景や失敗例もしっかりと考慮することが求められます。
情報を受け取る際には、その情報が偏っていないか、どのような基準で選ばれているのかをしっかりと確認しましょう。
自分の目的に照らし合わせて、活用する情報を正しく選ぶようにしましょう!
失敗や非成功事例から学ぶ
成功の裏側には数え切れないほどの失敗や挫折が隠されています。
その失敗体験こそが、真の学びや成長の源泉となることが多いのです。
私自身も東京大学を目指す過程では、数多くの失敗を経験しましたが、それが現在の私を形成する大きな要因となっています。
上手くいっているケースには運が多分に影響していることも多いです。
視野を広げる方法やテクニック
視野を広げるためには、多様な情報源からの意見やデータを集めることが推奨されます。
例えば、異なる分野や業界の人々との交流、多岐にわたる書籍や記事の読解、実際に異なる環境や文化を体験することなど、様々な方法で視野を広げることができます。
ぜひ私のブログも、視野を広げるために活用していただけると嬉しいです!
最後に、生存者バイアスを克服するためには、自分自身の思考や行動を常に客観的に振り返る姿勢が求められます。
社会人として働く中でも、そのような姿勢を持つことの重要性を日々感じています。
皆さんも、このバイアスを意識し、より賢明な選択をしていくことを心がけてください。
まとめ
私たちはこのブログ記事を通して、認知バイアス全般、特に生存者バイアスについての多くのことを学びました。
そしてその中で、どれだけ知識を身につけたとしても、私たちの日常生活や仕事の中で生存者バイアスに陥ってしまう可能性は依然として高いことも理解できたのではないでしょうか。
生存者バイアスは、私たちの認識の中で成功事例や目立つ情報に引き寄せられるという自然な傾向から生まれます。
このようなバイアスは、私たちが情報を処理する際の短絡的な方法として、無意識のうちに発生することが多いのです。
私自身、社会人としての経験を通じて、このバイアスに取り組むことの難しさを痛感しています。
しかし、その中で気付いたのは、完全にバイアスを排除することは難しいとしても、都度、一歩引いて自分の判断や行動を俯瞰し、客観的に振り返ることによって、その影響を最小限に抑えることができるということです。
そして、このような振り返りは、単にバイアスを回避するためだけではなく、自分自身の成長や深い学びに繋がる貴重な時間となるのです。
私たちは日々の忙しさに追われる中で、このような時間を持つことを忘れがちですが、少しの時間を割いて自分を見つめ直すことで、より良い選択や判断を下すことができるのです。
最後に、生存者バイアスを含む様々な認知バイアスは、私たちの日常生活に潜んでいます。
しかし、それを知り、理解し、そして都度振り返ることで、私たちはより賢明な選択をすることができるようになるでしょう。
この学びを共有できたことを大変嬉しく思います。
そして皆さんと一緒に、より良い未来を築いていけることを心より願っています。
そのほかの認知バイアスについても知りたい方は、こちらの『認知バイアス辞典』をご覧ください!
最後に
長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
この他にも、おすすめの本の紹介や資格取得レビュー(ウェブ解析士はコチラ)などを挙げています!
TOEICの各パート別の対策(パート1、パート2)やセクションの対策(リスニング、リーディング)、就活生に役立つ記事(ESの書き方、自己分析の方法)、認知バイアスの解説記事なども幅広く挙げているので、そちらもぜひお読みください!
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