はじめに
皆さん、こんにちは!
東大卒、大手化学メーカー勤務の社会人2年目マーケティング担当のらいくです。
今回は、仕事が出来る人が実践しているアウトプットを最大化するための手法を「イシュー」という言葉を用いてわかりやすく解説している安宅和人氏の著作『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』について要約&解説していきます!
自分の行っている業務でなかなか成果が出せていない人や効率よく働いて生産性を高めたい人などは、必見の内容です!
その前に、どんなやつが書いている記事なのか知りたい方もいらっしゃると思うので、私の簡単なプロフィールをご紹介します。詳細はコチラをご覧ください。
- 東京大学文科三類現役合格、文学部社会心理学専修卒業
- 大学時代、体育会運動部主将
- 某大手化学メーカー、社会人2年目、マーケティング担当
- TOEIC 910、ウェブ解析士、Advanced Marketer
私は、この本を読んで、自分が上手くいっているときとそうでないときの差を客観的に分析することが出来るようになりました!
読者の皆様も、『イシューからはじめよ』という本の名前だけは聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか?
50万部を超えるベストセラーなだけあって、何度読んでもためになる発見がいくつもあります。
難しい内容ではあるので、この記事を読んで興味を持って『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』を手に取っていただけますと幸いです
それではさっそく見ていきましょう!
この本のテーマ
安宅和人氏の『イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」』は、そのタイトルが示す通り、素晴らしいアウトプットを出すための第一歩は、「イシュー」の特定であると強調しています。
本書では、「イシュー」とは、解決可能であり、状況を改善するための本質的な問題点を指します。この「イシュー」を正しく特定できていないと、ただ目の前の問題にがむしゃらに取り組むだけの「犬の道」を辿ることになると安宅氏は痛烈に警告しています。
また、彼はイシューの解決のためには、「考える」ことと「悩む」ことを明確に区別することの重要性を強調しています。
「考える」とは、具体的な問題解決に向けた思考活動を指すのに対して、「悩む」とは答えの出ない問いに対して頭を使ってしまっている無駄な状態を指します。
このように、本書はイシューを特定し、それを解決することで本質的な問題に取り組み、結果として価値ある成果を生み出すことができるという思考法を提供しています。
これらの考え方を理解し、適用することで、我々はどんな問題にも対応できる思考力を身につけることができるのです。
イシューとは
問題解決に向けて重要となるは、「イシュー」のという概念の定義を確認していきましょう。イシューは、問題や課題の核心部分であり、解決すべき要点です。
良いイシューには、以下の三つの要素が必要とされています。
本質的な選択肢である
良いイシューは答えが出ると現状に対して大きな影響を与えます。その意味で、非常に本質的だといえます。
深い仮説がある
深い仮説を持ったイシューであると、検証することが可能になります。
価値を生むためには、スタンスを明らかにして(深い仮説を持って)問題に取り組む必要があります。
答えが出せる
「悩む」ことにならぬよう、イシューは最終的には答えが出せる問題でなければなりません。
むしろ、答えが出せることでようやくイシューと呼ぶに値する問題になるのです。
イシューを見極める
「イシューを見極める」ことは、問題解決の最初のステップであり、問題の本質を理解し、それに対する適切な答えを見つけ出すための基礎となります。
また、安宅氏はアウトプットの価値は本質的な問いであるかという「イシュー度」とそれに対する「解の質」であるとおっしゃっています。
とにかく「イシューを見極める」ことは最初の第一歩として非常に重要なのです。
イシューの特定手法として安宅氏は、5つの手法を提案しています。
- 変数を削る
- 視覚化する
- 最終形からたどる
- So what?を繰り返す
- 極端な事例を考える
それでは一つずつ見ていきましょう。
変数を削る
問題を単純化し、解決すべき本質的なイシューに焦点を絞るために、無関係な変数を削除します。一見、全てが関連しているように見えても、本質的に重要なものだけを残すことで、イシューがクリアになります。
例えば、新製品の売上が思うように伸びないという問題があったとします。さまざまな要素が関与しているでしょう。価格、広告、製品の品質、競合他社の製品等です。
しかし、「変数を削る」ことで、最も重要な要素だけに焦点を絞ることが出来ます。もしかしたら、競合他社の新製品の影響が最も大きいかもしれません。
視覚化する
複雑な問題を視覚的に表現することで、問題の全体像を理解しやすくなります。フレームワークなどを活用して関係性を明らかにすることもその一部です。
特に検討するべきテーマが空間的な広がりを持つ場合や順番がある場合などは非常に有効な施策になります。
最終形からたどる
目指すべき結果を明確にしてから、その状態に至るために必要なステップを逆算することで、イシューの核心に迫ることができます。
あるIT企業が新しいソフトウェアをリリースする際のことを想像してみてください。
最終的に顧客にどのような経験を提供したいのかを明確にし、その状態に至るまでのステップを逆算し、その過程で重要な問題点が浮かび上がるでしょう。
So what?を繰り返す
漠然とした問いに対して何度も「それが何を意味するのか?」と問いかけることで、その問いが持つ真の意味や価値を探り、深層のイシューを見つけ出します。
もし「地球温暖化は間違いである」という仮説があった場合、So What?と問うことで「地球温暖化は世界一律に起こっているとは言えない」という観点から、さらにSo What?と問い続けていくことで、「地球温暖化を主張する人たちのデータは地点に偏りがあり、正しいとは言えないのではないか」というより深い問いにたどり着くことが出来ます。
極端な事例を考える
極端な状況を想像することで、問題の本質や隠れた要素を浮き彫りにします。
重要な変数を大きく変化させるとどの要素がカギになるかが見えてくるものです。
これらの手法は、イシューを明確に特定し、最適な解を導き出すための有効なツールとなります。
一見複雑に見える問題も、これらの手法を駆使することで、その本質を見つけ、解決への道筋を描くことが可能となってくるでしょう。
イシューの解決策をストーリーとして提示する
問題解決のプロセスは、「複雑なイシューを分解し解決策を考案すること」、「ストーリーラインを組み立てて解決策をを効果的に伝えること」の2つのステップに分けることができます。
イシューを分解し解決策を考案する
全体の問題を理解し、解決策を見つけるためには、大きなイシューを小さな部分に分けることが重要です。この「イシューの分解」は、複雑な問題を扱いやすい形に変え、解答に一歩ずつ近づくためのキーとなります。
一見難解な問題も、それをより具体的な問いに分割することで、具体的な答えを見つけやすくなります。
例えば、新製品の販売促進を考える際、「どうすれば販売を伸ばすことができるのか」という大きな問題を、「ターゲット顧客は誰か?」「何が顧客のニーズに合致するのか?」「競合他社とどう差別化するか?」などのより小さな問題に分解することで、各部分に対する具体的な解答が見つかりやすくなります。
ストーリーラインを組み立てて解決策をを効果的に伝える
イシューを分解し、それぞれに対する解答を見つけたら、次はそれらをまとめ、ストーリーとして伝える必要があります。この「ストーリーラインを組み立てる」ステップは、得られた結論を効果的に伝え、人々を行動に移させるための重要な手法です。
ストーリーラインの構築は、論理的で一貫した流れをつくり出し、それに沿って解決策を示すという作業です。開始点としてイシューを再確認し、その後、解決に至る過程を説明し、最終的な結論につなげる形にします。これにより、読者や聞き手はイシューとその解決策の全体像を理解しやすくなります。
まとめると、イシューの解決策をストーリーとして提示することで、複雑な問題を具体的に理解し、その解答を効果的に伝えることが可能になります。このプロセスは、イシュー解決のための強力なツールとなります。
まとめ
結果として、良いアウトプットを出すためには、まずイシューを特定し、それを分解して解決策を見つけ、その策をストーリーラインとして提示する、という一連の流れが重要だと安宅氏は語っています。
この思考プロセスを理解し、実践することで、誰もが価値あるアウトプットを生み出すことができるようになるでしょう!
ただ、簡単なことではないので、何度も反復しながら沢山考えて実戦経験を積んでいくことが重要です。
出来る人間に慣れるように頑張りましょう!!
最後に
長文になりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!
この他にも、おすすめの本の紹介や資格取得レビュー(ウェブ解析士はコチラ)、TOEICの各パート別の対策(パート1、パート2)やセクションの対策(リスニング、リーディング)などの記事も挙げているので、そちらもぜひお読みください!
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